突然公共事業の一環として始まるとなり町との戦争を描いた作品。小説すばる新人賞受賞。今年初めには映画化もされました。まだやってるんだっけ?
まぁ、読み終わってAmazonのレビューなんかを読んでたのですが、賛否両論らしく「説明がされない」とか「よくわからない」「理解できない」「納得いかない」といった感想が多く寄せられています。
僕が最初に読んで感じたのもそんなような印象なのですが、むしろそれこそが、作品の中で主人公が感じている「リアリティのなさ」なのではないかな、と。現実社会では随所に偽装されているそれをデフォルメした形で描いている作品だと感じました。だから、「納得がいかない」し、「よくわからない」。
「よくわからない」「説明がされない」から構成が悪い、粗末な作品なのではなくて、その「よくわからない」「説明がされない」のはなぜなのか?ということを、本や映画に接する時は本気で考えなければならないし、それが作品に接する時の「面白さ」だと思うのです。
- 作者: 三崎亜記
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2006/12/15
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